ABSTRACT 658(15-2)
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造血幹細胞遺伝子治療のための改良型選択的増幅遺伝子の開発:分化シグナル抑制誘導体に関する検討:松田幹人1,上田泰次1,3,卜部匡司1,長谷川護3,久米晃啓1,小澤敬也1,21自治医大・ 分子病態治療研究セ・遺伝子治療,2 自治医大・血液,3デイナベック研)

Development of a modified selective amplifier gene for stem cell gene therapy: a derivative with reduced differentiation-inducing activity: Kant MATSUDA1, Yasuji UEDA1,3, Mamoru HASEGAWA3, Masashi URABE1 , Akihiro KUME1, Keiya OZAWA 1,2 (1Div. of Genet.Ther., Center for Mol med., Jichi Med.Sch., 2Dept. of Hematol., 3DNAVEC Res.Inc.)
 
【目的】遺伝子導入した血液幹細胞を体内で選択的に増幅させる目的で,G-CSF受容体-エストロゲン受容体融合遺伝子を選択的増幅遺伝子として開発中である。今回,分化関連領域に変異を加えたものを作製し,遺伝子導入細胞を未分化な状態を保ちつつ増殖優位に作用するか検討した。【方法】選択増幅遺伝子Δ(5-195)GCRER の分化関連領域のTyrをPheに置換した改良型選択的増幅遺伝子{Δ(5-195)Y703F-GCRER}をもつレトロウイルスベクターを構築し、分化誘導可能な32D細胞に遺伝子導入してエストロゲン刺激による増殖および形態変化を評価した【結果】Δ(5-195) GCRER を導入した32D細胞はG-CSF及びエストロゲン刺激で親株同様に好中球へと分化したがΔ(5-195)Y703F-GCRERを導入した細胞ではエストロゲン刺激下で未分化な状態のまま増殖した。この選択的増幅遺伝子を治療用遺伝子と組み合わせることにより遺伝子導入幹細胞を体内で未分化な状態で増殖させうる可能性が示された。