ABSTRACT 661(15-3)
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遺伝子発現制御可能なアデノ随伴ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の開発と抗腫瘍メカニズムの解明:水野正明、中原紀元、夏目敦至、立家康至、吉田 純(名大・医・脳外)

Gene therapy of neoplasm by means of gene-regulated adeno-associated virus vectors: Masaaki MIZUNO, Atsushi NATSUME, Yasushi RYUKE, Norimoto NAKAHARA, Jun YOSHIDA (Dept. of Neurosurgery, Nagoya Univ. Sch. of Med.)

【目的】発現調製可能なAAVベクターを調製し、その有用性と抗腫瘍メカニズムについて検討した。【方法】(1) Tet systemを中心に発現調節可能なベクターを調製し、発現効率を検討した。(2) IFN-β等のサイトカイン遺伝子を組込んだAAVベクターの抗腫瘍効果及びそのメカニズムを調べた。(3) AAVベクターをリポソームに包埋し、遺伝子発現の増強効果を観察した。【結果】(1) Tet systemは遺伝子発現調節ユニットとしてin vitro及びin vivoで有効に作用した。(2) IFN-β遺伝子を組込んだAAVベクターは抗Fas抗体で導かれるアポトーシスとは異なったアポトーシス型の細胞死を誘導した。(3) リポソームとのコンビネーションにより、AAV ベクターの発現は数十倍増強された。【結論】サイトカイン遺伝子を組込んだ発現調節可能なAAVベクターは癌に対する遺伝子治療に役立つと考えられた。