ABSTRACT 662(15-3)
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アデノ随伴ウイルス(AAV) のRep蛋白質のアラニンスキャンニングによる変異導入解析:部位特異的組込み機能ドメインの同定:卜部匡司1,荷見よう子1,久米晃啓1,Gary J. Kurtzman2,小澤敬也1,31自治医大・分子病態治療研セ・遺伝子治療,2Avigen, Inc.,3自治医大・血液)

Mutational analysis of adeno-associated virus Rep protein by charged-to-alanine scanning: critical residues for targeted integration: Masashi URABE1, Yoko HASUMI1, Akihiro KUME1, Gary J. KURTZMAN2, Keiya OZAWA1,3 (1Div. of Genet. Ther., Center for Mol. Med., Jichi Med. Sch., 2Avigen, Inc., 3Dept. of Hematol., Jichi Med. Sch.)

[目的]AAVは第19番染色体のAAVS1領域 (19q13.3-qter) に組み込まれる。この部位特異的組込みは、Rep蛋白質がウイルスゲノム両端のITR (Inverted Terminal Repeat) とAAVS1領域のGAGC配列を認識することによる。我々はこの性質を利用し、外来性遺伝子をAAVS1領域特異的に組み込む方法の改良を行っている。Repは持続的発現により毒性を示すことなどから、部位特異的組込み法により適した細胞障害性を減弱させた改変Repの構築が必要となっている。Repの部位特異的組込みに関与するアミノ酸残基を同定することは、改変Repを作製する際に重要な情報を提供してくれると考えられる。[方法]Rep78のN末端約1/3の部位特異的組込みドメインを含む領域の、極性アミノ酸をすべてアラニンに置換したミュータントRepを約60作製した。導入した変異がGAGCモチーフへの結合、部位特異的DNA切断、及び部位特異的組込みに影響を及ぼすか、各々、ゲルシフト法、in vitroアッセイ法、PCR法にて検討した。[結果・考察]R107A、K136A、R138Aが有意にモチーフへの結合活性を失っており、さらに部位特異的組込み活性も認められなかった。現在、組込み活性を保持し、かつ細胞毒性の弱い変異のスクリーニングを行っている。