ABSTRACT 674(15-4)
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新規カチオニックリポソームを用いた遺伝子導入ー発現効率と蛍光標識遺伝子の検出:芹川武大1,2、田中憲一1、北川隆之21新潟大・医・産婦、2国立感染研・細胞化学)

Transfection by means of a novel cationic liposome - Gene expression efficiency and detection of fluorescent labeled plasmid:Takehiro SERIKAWA1,2, Kenichi TANAKA1, Takayuki KITAGAWA2 (1Dept. of Obstet. Gynecol., Niigata Univ. School of Med., 2Dept. of Biochem. and Cell Biol., Natl. Instit. of Infec. Disease.)

[目的]新規に開発したカチオニックリポソームを用いてヒトがん細胞へのin vitro遺伝子導入を行い、導入遺伝子の発現効率を、細胞内蛍光標識遺伝子の経時的変化より検討した。[方法](1)HeLa融合細胞株CGL1、CGL4に新規リポソームを用いて、GFP発現プラスミド(pGL-1)を導入し、24時間後、遺伝子発現効率をFACSを用いて解析した。(2)細胞内遺伝子の動態は、光活性化により蛍光標識したpGL-1を 両細胞株に導入し、共焦点レーザー蛍光顕微鏡にて経時的に観察した。[成績](1)新規リポソームによるCGL1細胞の遺伝子発現効率は血清存在下に約50%であったのに対し、血清非存在下では約20%と有意に低下した。一方CGL4細胞では10%以下であった。(2)両細胞株で導入遺伝子が検出された細胞は導入後8時間まではほぼ同程度に上昇した。 CGL1ではその後12時間まで遺伝子が安定して細胞内に検出されたのに対し、CGL4では急激に検出される遺伝子が減少した。また、血清非存在下における低い発現効率も、細胞内の遺伝子検出感度の低下とよく一致していた。[結論]遺伝子発現効率と細胞内の遺伝子安定性の相関性が定量的に確認された。今後、遺伝子の細胞内での安定性の制御により遺伝子発現効率を高めることが期待される。