ABSTRACT 675(15-4)
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肺がん胸腔転移に対するcationic liposomeを用いた自殺遺伝子療法の検討:長町康弘1, 谷賢実1, 清水公裕1, 吉田輝彦2, 横田淳11国立がんセ・研・生物, 2国立がんセ・研・分子腫瘍)

Gene therapy for pleural metastases of lung cancer by cationic liposome-mediated transfer of herpes simplex virus thimidine kinase gene: Yasuhiro NAGAMACHI1, Masachika TANI1, Kimihiro SHIMIZU1, Teruhiko YOSHIDA2, and Jun YOKOTA1 (1Biol. Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 2Genetics Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.)

我々は、肺がん胸腔転移に対する遺伝子治療法を開発する目的で、ヒト肺癌細胞株を用いて胸腔転移の実験動物モデルを作製し、遺伝子発現プラスミドをカチオニックリポソームと混合して胸腔内に投与する方法により、その治療効果を検討した。ヒト肺腺癌細胞株(PC14)をBALB/c ヌードマウスの胸腔内に移植し、これを肺がん胸腔転移モデルとした。移植後CAGプロモーターによりHSV-tk遺伝子を発現するプラスミドをdimyristyloxypropyl-3-dimetil-hydroxyethyl ammonium bromide and cholesterol (DMRIE-C)と混合して胸腔内に投与し、その後GCV 投与群、無治療群にて治療効果を比較検討した。その結果、無治療群では全てのマウスが死亡し、胸腔内播種が認められたのに対し、GCV 投与群では有意な生存の延長を認めた。この結果より、遺伝子発現プラスミドをDMRIE-Cと混合して胸腔内に投与する方法は肺がんの胸腔転移に対する遺伝子治療法となる可能性が示唆された。