ABSTRACT 679(15-4)
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HVJ-cationic liposomeを用いたHTLV-I tax/rexリボザイムの導入によるHTLV-I感染ヒト滑膜細胞の増殖制御:
金田安史(阪大・細胞セ)

Growth inhibition of Human T cell leukemia virus type I (HTLV-I)-associated arthropathy by the introduction of HTLV-I tax/rex ribozyme using HVJ-cationic liposome: Yasufumi KANEDA (Institute for Molecular and Cellular Biology, Osaka University)

ヒトT細胞白血病ウイルスI 型 (HTLV-I)によりおこる関節炎(HAAP)の遺伝子治療をめざし、HTLV-Iのtax/rexの合成リボザイム(一部デオキシオリゴ含有)をHVJ-cationic liposomeによりHAAP患者の滑膜細胞に導入した。 HVJ-cationic liposomeを用いるとほぼ全ての細胞の核にリボザイムが導入された。1uMのtax リボザイムを導入するとHTLV-I感染滑膜細胞ではHTLV-IのTaxのmRNA, 蛋白発現がほぼ完全に抑制された。その抑制はHTLV-Iに特異的で、tax, rexのリボザイムは同様の効果を示した。1塩基ミスマッチのコントロールリボザイムやtaxのアンチセンスオリゴは20%の抑制効果しか示さなかった。 その結果HTLV-I感染滑膜細胞はDNA合成が阻害され、増殖が止まり、導入6日後にアポトーシスに陥った。 これらの結果はHAAPの遺伝子治療の可能性を示唆するものである。 以上の研究は鹿児島大学医学部の北島勲、丸山征郎、両博士との共同によるものである。