ABSTRACT 681(15-4)
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IGF-1リセプターに対するantisense法はヒト子宮頚癌細胞株の形質転換能を抑制する: 中村圭一郎、本郷淳司、児玉順一、宮木康成、吉野内光夫、工藤尚文(岡山大・産婦)

Antisense Strategy against IGF-1R Can Reverse Transformed Phenotype of Cervical Cancer Cell Lines: Keiichiro NAKAMURA, Atsushi HONGO, Junichi KODAMA, Yasunari MIYAGI, Mitsuo YOSHINOUCHI, Takafumi KUDO (Dept. of OB/GYN. Okayama. Univ. Med. Sch.)

多くの腫瘍細胞において形質転換能の獲得と維持に必須であるIGF-1 Receptor(IGF-1R)を標的とした antisense法が、HPVの有無に関わらず子宮頚癌細胞株の形質転換能を抑制しうるか否かを検討した。HPV18型陽性株Hela S3、およびHPV陰性株C33aを材料として温度感受性HSP 70 promotor 下に309bpのIGF-1R antisense RNAを発現するexpression vectorをG418選択下で恒久的に遺伝子導入した。選択したクローンのうち、39℃培養下で有意なIGF-1Rの発現抑制が確認されたものを、soft agarに植え、形質転換能の変化を検討した。C33a株で3週間後にwild typeが約 100個のコロニーを形成したのに対し、選択したアンチセンス導入クローンでは14個すべてで0-14個のコロニーしか形成されず,著名な抑制効果が得られた。一方、Hela S3ではwild typeが3週間後に250個以上のコロニーを形成したのに対し、同様に選択した10個のクローンでは0-250個までとクローン間での著しい差異が認められた。以上のことからHPVのE6, E7蛋白が共役して細胞の形質転換能を維持している可能性が示唆された。現在SiHa, Caski, HT-3, Yumoto株での検討を追試中である。