ABSTRACT 750(P1-7)
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クチナシ青色素のF344ラットにおける癌原性試験: 今沢孝喜1,西川秋佳1,古川文夫1,笠原健一郎1,池田尚子2,高橋道人1,広瀬雅雄11国立医衛研・病理,2昭和女子大)

Carcinogenicity study of Gardenia blue color in F344 rats: Takayoshi IMAZAWA1, Akiyoshi NISHIKAWA1, Fumio FURUKAWA1, Ken-ichiro KASAHARA1, Takako IKEDA2, Michihito TAKAHASHI1, Masao HIROSE1 (1Div. of Pathol., Natl. Inst. Health Sci., 2Showa Women's Univ.)

【目的】クチナシ青色素は,クチナシの果実抽出物から得られた青色天然着色料であり,現在,わが国においては冷菓,リキュール類,チューインガム,水産加工品,漬物などに食品添加物として使用されている。今回,クチナシ青色素のラットを用いた105週間混餌投与による癌原性試験を実施した。【材料および方法】6週齢の雌雄F344ラット各150匹を3群に分け,5%,2.5%,0%(対照群)のクチナシ青色素を105週間投与した。試験終了後,生存動物を屠殺・解剖し,常法に従い,病理組織学的に検索した。瀕死動物または死亡動物についても病理学的に検索した。【結果および考察】被験物質投与群の体重および摂餌量の推移は,対照群とほぼ同様であった。生存率は雌雄とも5%群ではやや低率であったが,統計学的に有意差は認められなかった。組織学的には種々の臓器に白血病を含む腫瘍性変化を認めたが,その発生率は各群間で統計学的に有意差を認めなかったことから,いずれも本系統ラットに好発する自然発生腫瘍と考えられた。以上より,クチナシ青色素をF344ラットに5%および2.5%濃度で混餌投与した結果,癌原性はないものと結論された。