ABSTRACT 753(P1-7)
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Phytolの発癌作用機序の検討:籠浦正順、松井千尋、諸橋正昭(富山医薬大・皮)

Carcinogenicity study of phytol : Masayori KAGOURA, Tihiro MATSUI, Masaaki MOROHASHI (Dept. Dermatol., Toyama Med. & Pharm. Univ.)

[目的] Phytolは植物に含まれているアルコールの一種である。2段階発癌試験によりPhytolにプロモーション活性があることが示された。今回更に詳しい発癌過程を検討する。
[材料と方法] ICR mouse、JB6 murine epidermal cell line。Hyperplasia study: phytol塗布48 hr後に皮膚を採取し、表皮の厚さおよび表皮細胞の層を測定する。Epidermalextract: 薬剤を背部に塗布後、brief heat treatmentにより表皮のみを採取する。ソニケーション後、遠心しsupernatantをODC測定用とする。O,Brien等の方法に基づきDL-[1-14C] ornithine hydrochlorideからの14CO2のreleaseを測定する。Horowitz等の方法に基づきphorbol ester receptorのligandである[3H] PDBUを用いてphytolの濃度に応じてbinding inhibitionがかかるか否かを検討する。
[結果] Hyperplasia study: phytol塗布群では、controlと比較して有意な増加がみられたが、TPA群と比較してその程度は弱かった。ODC assay: phytol塗布後約11-12 hrで ODC inductionが最大となった。濃度依存性もみられた。PDBU binding: phytol濃度を 1 mMまでアップさせたが、binding inhibitionは認められなかった。
[結論] phytolはTPAのそれと比較して弱いプロモーション活性を有することが明らかとなった。またその作用機序はphorbol ester receptorを介さず、phytolがnon phorbol ester typeのtumor promoterであることが示された。