ABSTRACT 759(P1-7)
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ハムスターBOP発癌ポストイニシエーション期におけるPEITCの影響: 笠原健一郎1、西川秋佳1、古川文夫1、李 仁善2、今沢孝喜1、高橋道人1、広瀬雅雄11国立医衛研・病理、2韓国啓明大・食品加工)

Effect of PEITC on hamster carcinogenesis after nitiation with BOP: Ken-ichiro KASAHARA1, Akiyoshi NISHIKAWA1, Fumio FURUKAWA1, In-Seon LEE2, Takayoshi IMAZAWA1, Michihito TAKAHASHI1, Masao HIROSE1(1Div. of Pathol., Natl. Inst. Health. Sci., 2Dept. of Food Sci. Tech., Keimyung Univ.)

【目的】アブラナ科植物に含まれるphenethyl isothiocyanate (PEITC)を、ハムスターN-nitrosobis (2-oxopropyl) amine (BOP)発癌のイニシエーション期に投与すると、膵および肺の腫瘍発生を強く抑制する。今回、同発癌モデルのポストイニシエーション期にPEITCを投与し、腫瘍発生に対する影響について検討した。【実験方法】5週齢の雌シリアンハムスター120匹を6群に分け、第1〜3群(各30匹)に20mg/kg B.W.のBOPを実験開始時および開始後1週目の計2回、背部皮下に投与し、第4〜6群(各10匹)にはBOP投与は行わなかった。その後、1および4群には6μmol/g、2および4群には3μmol/gのPEITC添加飼料を、また3および6群には基本食を52週間与えた。【結果】膵腺癌および異形成の発生率は各々、第1群では89.2%、50.0%,、第2群では78.5%、42.8%、第3群では80%、32.0%であり、統計学的に有意差はみられず、多発性においても有意な差はみられなかった。また、肝、腎、肺の腫瘍発生率および多発性においても各群間に有意な差はみられなかった。【まとめ】ハムスターBOP発癌モデルのポストイニシエーション期にPEITCを投与した結果、いずれの臓器においても発癌抑制作用は認められなかった。