ABSTRACT 761(P1-8)
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胃癌組織および背景胃粘膜におけるチトクロムp450 2E1の発現:工藤光洋1、内藤善哉1、横山宗伯1、加藤俊二2、松倉則夫2、徳永昭2、恩田昌彦2、浅野伍朗1(日本医大・1第二病理、2第一外科)

Expression of cytochrome p450 2E1 in gastric carcinoma and background gastric mucosa: Mitsuhiro KUDO1, Zenya NAITO1, Munehiro YOKOYAMA1, Shyunji KATO2, Norio MATUKURA2, Akira TOKUNAGA2, Masahiko ONDA2, Goro ASANO1 (1Dept. of Pathology, 2Dept. of Surgery, Nippon Medical School)

【目的】チトクロムp450 2E1は胃の発癌に関与するニトロサミン系の代謝活性化酵素であり、アルコールで誘導されることや、その遺伝子の5'Flanking regionの遺伝子多型、Variant typeでその蛋白発現の増強や発癌riskが上がることが報告されている。我々は2E1遺伝子多型とヒト胃での2E1蛋白質の発現と、その相互関係について検討し、さらに臨床病理学的検討を加えて報告する。【対象および方法】胃癌症例を用い、5'Flanking regionの2E1遺伝子多型を検出した。また胃での2E1蛋白の発現について、免疫組織化学、免疫電顕、Western blotおよびin situ hybridization法で検索するとともに臨床病理学的検討を加えた。【結果】p450 2E1の遺伝子多型ではC1/C2、C2/C2 variant typeは約2%に検出され、その蛋白発現はvariant typeの癌部で増強していた。またvariant typeでは背景胃腺、増殖帯でも全例が高発現する傾向がみられた。また、背景胃粘膜では、2E1の遺伝子多型に関係なく内分泌細胞や腸上皮化生上皮では蛋白の高発現がみられ、胃の粘膜の炎症の活動性に相関して胃腺窩上皮では発現が増強する傾向がみられた。