ABSTRACT 763(P1-8)
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ヒトフェノール硫酸転移酵素の遺伝子多型と大腸癌感受性:小澤正吾,加藤貴彦,高沢信3,永田直幹3,伊藤英明3,大野泰雄国立医衛研・薬理,産業医大・保健情報,3産業医大・医・第一外科)

Genetic polymorphisms of carcinogen-activating human phenol sulfotransferase and colon cancer susceptibility : Shogo OZAWA, Takahiko KATOH, Shin TAKASAKA3, Naoki NAGATA3, Hideaki, ITOH3, Yasuo OHNO (Div. Pharmacol., Natl. Inst. Health Sci., Dept. Health Sci. Inf., UOEH., 3Dept. Surgery I, UOEH.)

[目的] ヒト肝、大腸、血液細胞などに発現しているフェノール硫酸転移酵素分子種のうち、ST1A3(TS-PST)は、N-ヒドロキシ-PhIPなどN-水酸化癌原アミンの代謝活性化能を有する。我々は、アミノ酸置換を伴う2ヵ所のST1A3遺伝子多型(Arg213His, Met223Val)を白人について見出した。今回、これら遺伝子多型と大腸癌感受性との関連を調べるため、日本人大腸癌患者と健常者間で、異型酵素遺伝子の出現頻度を比較した。 [方法] 多型の部位を含む281bp のPCR産物をHaeII又はNlaIII処理して遺伝子型を調べた。 [結果と考察] 今回用いた健常者集団 (n=143) の213Arg/Arg, 213Arg/His, 213His/Hisの割合 (%) は69.2、28.0、2.8、大腸癌患者集団(n=133)では各々69.9、27.1、3.0であった。223Val型の個体は一例もなかった。すなわち、ST1A3 (TS-PST) の213 Arg/His の遺伝子多型と大腸癌感受性との間に有意な関連は認められなかった。