ABSTRACT 765(P1-8)
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GSTM1,GSTP1遺伝子多型と肺扁平上皮癌発癌との関係について:木原雅子1, 野田和正2, 木原正博11神奈川がんセ・研・疫学、2神奈川がんセ・呼内)

Relationship between GSTM1,GSTP1 gene polymorphisms and the risk for squamous cell carcinoma of the lung: Masako KIHARA1, Kazumasa NODA2, Masahiro KIHARA1 (1Dept. Epidemiol.,Kanagawa Cancer Center, 2Chest Dis.,Kanagawa Cancer Center)

【目的】薬物代謝酵素GSTM1、GSTP1の遺伝子多型と喫煙者における肺扁平上皮癌発癌との間連について分析する。
【方法】男性肺扁平上皮癌患者74名、男性健康対照132名(患者対照とも50歳以上70歳未満の現喫煙者)を対象とし、被検者の抹消血白血球より抽出したDNAを用い、PCR法により、glutathion S-transferase (GST) M1遺伝子欠損およびGSTP1遺伝子コドン105のIle-Val多型を検出した。
【結果】GSTM1及びGSTP1遺伝子多型の分布は、GSTM1,GSTP1いずれも変異遺伝子を保有する人の割合が、患者群でやや多い傾向が見られた(GSTM1:患者群58.1%―対照群47.7%、GSTP1:患者群33.8%−対照群27.1%)。これをさらに、GSTM1とGSTP1の遺伝子多型の組み合わせで分類すると、両遺伝子多型は、それぞれ単独ではリスク(オッズ比)を上昇させないが、それらが複合すると、相乗的にリスクが上昇することが明らかとなった(OR=2.50(95%CI=0.99-6.35))。
【結論】GSTM1,GSTP1遺伝子多型の組み合わせが、喫煙者における肺扁平上皮癌の発癌リスクを一部規定する遺伝的要因である可能性が示唆された。