ABSTRACT 770(P1-8)
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F344ラットとBNラットにおけるMeIQxの低濃度域での肝発癌性の相違:岩井秀司,堀高明,市原敏夫,鰐渕英機,福島昭治(大阪市大・医・1病理)

Low dose carcinogenecity of MeIQx in rat liver between F344 rat and BN rat : Shui IWA,Takaaki HORI,Toshio ICIHARA,Hideki WANIBUCHI,Shoji FUKUSHIMA (1st. Dept. pathol.,Osaka City Univ. Med.Sch.)

(目的)F344ラットに対するMeIQxの肝発癌性については低用量域で実際上の無作用領域があることを我々は報告した。本実験においては系統の違うBNラットを用いて、無作用領域の有無を検索し、同時にMeIQxに対する感受性の差異を検討した。 (方法)21日齢の雄性F344ラット180匹と同じくBNラット180匹を用い、それぞれ0、0.1、1、5、10、100ppmの濃度のMeIQxを16週間連続投与し,肝前癌変化の指標であるglutathione S-transferase胎盤型(GST-P)陽性細胞巣の発生、MeIQx-DNA付加体形成、8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)レベルを検索した。 (結果)GST-P陽性細胞巣の発生個数は両系統において5ppm以下では対照群と比較して有意差を認めなかったが、10ppm以上では用量相関性に増加していた。MeIQx-DNA付加体形成は両系統において0.1ppmの低濃度域から用量相関性に増加していた。8-OHdGレベルはF344ラットにおいては用量相関性に増加していたが、BNラットでは各群における有意差はみられなかった。 (考察)MeIQxのラット肝発癌性に対する無作用領域は、F344ラットばかりでなく系統の違うBNラットにおいても認められることが判明した。