ABSTRACT 771(P1-8)
BBNにより誘発したラット膀胱癌の間隔閾値の検討:魏 民、陳 天新、鰐渕 英機、山本 晋史、福島 昭治(大阪市大・医・1病理)
Different response for rat bladder carcinogenesis induced by BBN with different fragmented treatment periods: Min GI, Tian-xin CHEN, Hideki WANIBUCHI, Shinji YAMAMOTO, Shoji FUKUSHIMA (First Dept. of Pathol., Osaka City Univ. Med. Sch.)
〔目的〕我々はラット二段階膀胱発癌モデルを用いて、プロモーターのsodium L-ascorbic acid (Na-AsA) に投与間隔閾値が存在することを明らかにしてきた。今回は膀胱発癌物質であるBBNの投与間隔閾値が存在するかどうかを検討した。〔方法〕F344ラットの雄、6週齢、90匹を用いた。これらを6群に分け、第1群〜第5群には0.05%BBNを含む飲料水を合計16週間投与した。第1〜第3群はBBNの投与開始時期を同一にし、第1群は4週間投与後、4週間休薬する方法を4回施行した。第2群は8週間投与後、8週間休薬する方法を2回施行し、第3群は16週間持続続投与した。第4、5群は第1群と投与終了時点が同一になるようし、第4群は実験開始4週間後から8週間を2回投与し、第5群は12週後に開始し、16週間持続投与した。第6群は無処置群であった。40週間後にラットを屠殺し、膀胱病変を病理組織学的に検索した。〔結果〕膀胱腫瘍の発生頻度は第1群〜5群とも100%であったが、最大サイズの腫瘍容量を比較すると第1〜3群では持続投与期間が長いほど大きかった。しかし、投与終了が同一の第1、4、5群では投与開始時期も腫瘍の大きさに関与していた。〔結論〕腫瘍の増大にはBBNの持続的投与と投与開始からの期間が影響することが明らかにされた。