ポスターセッション

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p-ジクロロベンゼン吸入により誘発されたBDF1マウス肝細胞癌に随伴する肝芽腫様組織の増殖能とp53の検討 : 相磯成敏¹、南浩太郎²、久米春喜²、清水靖仁²、松島泰次郎¹、中鶴陽子²、石川隆俊²（¹中災防日本バイオアッセイ研究センター　²東大・医・分子病理）

p53 gene and growth analysis of hepatoblastoma like cells associated with hepatocelluer carcinoma in BDF1 mice induced by p-dichrolobenzene. : Naritoshi AISO¹, Kotaro MINAMI², Haruki KUME², Yasuhito SHIMIZU², Taijiro MAtSUSHIMA¹, Yoko NAKATSURU², Takatoshi ISHIKAWA², (¹Japan Bioassay Research Center, ² Dept of Pthol, Tokyo Univ.)

[ 目的 ] 昨年度本学会において、我々はBDF1マウスを用いたp-ジクロロベンゼン吸入実験で未分化な肝芽腫様組織像が肝細胞癌組織周辺部より発生することを報告した。今回我々はこの組織形態の変化に伴う細胞学的変化を検討する目的で肝芽腫様部分と肝癌組織部分及び正常組織部分についてPCNAおよびp53蛋白の発現について比較検討し、同時にp53遺伝子異常について検索を行った。
[ 方法 ] 肝芽腫様組織像を呈した吸入群17例(雄11例、雌8例)及び非吸入群の肝癌10例のパラフィン切片を用い、以下の検索を行った。抗PCNAモノクローン抗体による免疫組織化学染色はSAB法により行った。p53遺伝子の検討はパラフィン切片より各組織DNAを抽出し、PCR法を用いてEXON5から9を増幅後、Direct sequencingを行った。
[ 結果及び考察 ] PCNA陽性細胞数は正常＜肝癌＜肝芽腫の順に増加する傾向が認められた。また、p53蛋白陽性細胞は非吸入群に発生した肝がんには全く観察されなかったが、吸入群肝芽腫様部分と接した肝癌部分及び肝芽腫様部分でのみ認められた。p53遺伝子変異は、現在までの検索の結果、肝芽腫部分1例で体細胞変異が認められている 。