ABSTRACT 776(P1-9)
p53ノックアウト(ヘテロ欠損)CBA/ORJマウスにおけるdimethyl nitrosamine (DMN) とphenobarbital (PB) による肝発癌感受性 : 高木久宜, 三森国敏, 小野寺博志, 竹川 潔, 安原加壽雄, 高橋道人, 広瀬雅雄(国立医衛研・病理)
Susceptibility of hepatocarcinogenicity to dimethyl nitrosamine and phenobarbital in heterozygous p53 knockout CBA/ORJ mice: Hisayoshi TAKAGI, Kunitoshi MITSUMORI, Hiroshi ONODERA, Kiyoshi TAKEGAWA, Kazuo YASUHARA, Michihito TAKAHASHI, Masao HIROSE (Div. of Pathol., Ntl. Inst. Hlth. Sci.)
【目的】米国Taconic Farmで維持されているC57BL由来のp53ノックアウト(ヘテロ欠損)TSGマウスは遺伝毒性発癌物質に対し高い感受性を示すことが知られているが, DMNをイニシエーション処置した後PBを6ヶ月間投与した実験では, 肝に何ら増殖性病変が誘発されなかった事が報告されている (須方ら,第55回本学会). 今回我々はオリエンタル酵母で維持されているCBA由来のp53ノックアウト (ヘテロ欠損) CBA/ORJマウス (OBJ-KO) を用いて肝発癌感受性について検討した.
【方法】ORJ-KOマウスおよびその同腹仔の野生型マウス (Wild) の雌各30匹にDMNを単回腹腔内投与し,その後それぞれ15匹づつに500ppmないし0ppm PBを26週間飲水投与した.
【結果】DMN+PB投与ORJ-KOマウスでは,好酸性肝細胞増殖巣の発生個数がWildマウスに比し有意に増加した. また, 同群では, 肝細胞腺腫が60% に誘発され (Wild:20%), その発生個数やPCNA陽性率もWildマウスに比し増加した.
【結論】 p53ノックアウトマウスの中でも系統により肝発癌感受性が異なることが示唆された.