ポスターセッション

一覧　トップ

p53ノックアウトマウスにおけるMNU誘発胃発癌：山本昌美¹,酒井洋樹^1,2,塚本徹哉¹,深見博子¹,田中晴就¹,大垣比呂子³,立松正衞¹ (¹愛知がんセ・研・1病,²岐阜大・農・家畜病理,³Unit of Molecular Pathology・International Agency for Research on Cancer, France)

Gastric carcinogenesis in p53-deficient mice induced by MNU：Masami YAMAMOTO¹, Hiroki SAKAI^1,2, Tetsuya TSUKAMOTO¹, Hiroko FUKAMI¹, Harunari TANAKA¹, Hiroko OHGAKI³, Masae TATEMATSU¹ (¹Lab.Pathol., Aichi Cancer Center Res. Inst., ²Dept. of Vet. Pathol., Gifu Univ.、³Unit of Molecular Pathology,International Agency for Research on Cancer, France)

近年、短期発癌性試験の実験モデル動物としてp53 knockout mouseの有用性が検討されている。今回我々はN-methyl-N-nitrosourea (MNU)をp53 knockout mouse (-/-)、(+/-)に飲水投与し、短期間においての病理組織学的検討を行った。p53 knockout mouse (-/-) のMNUに対するsensitivityの検討のため各群MNU30, 60, 120 ppmを10週間、隔週飲水投与した。60 ppm以上では、ほぼ1週間で消化管上皮の重度の変性壊死により死亡したが30 ppm以下では生存した。そこで、生後5週より雄p53 (-/-) および (+/-) mouseにMNUを30 ppm隔週、10週間投与し、実験開始15週後で屠殺し胃の病変を検索した。p53 (-/-) MNU投与群では、thymic lymphoma、sarocomaが非投与群よりも早期、高率に認められ、実験開始15週後における生存率はp53 (+/-) MNU投与群およびp53 (-/-) MNU非投与群に比べて、低くなった。MNU投与群における胃の病理組織学的変化は過形成および腺種がp53 (+/-)に比べてp53 (-/-)において高率に認められた。これらより、p53 knockout mouse はMNU腺胃発癌性にたいして感受性が高いことが示された。