ポスターセッション

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SCIDマウスのazoxymethane (AOM) 誘発大腸発がんに対する高感受性：落合雅子¹, 今井 裕², 杉村 隆¹, 長尾美奈子¹, 中釜 斉¹（¹国立がんセ・研・生化, ²国立がんセ・研・発がん）

Susceptibility to colon carcinogenesis induced by azoxymethane in SCID mice : Masako OCHIAI¹, Hiroshi IMAI², Takashi SUGIMURA¹, Minako NAGAO¹, Hitoshi NAKAGAMA¹ (¹Biochemistry Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., ²Carcinogenesis Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.)

　ヒト大腸癌ではマイクロサテライトや染色体の不安定化が腫瘍の発生に重要な役割を担うと考えられている。SCID由来繊維芽細胞株は、DNA依存性キナーゼの欠損によりミニサテライト反復配列の不安定性を示すので、SCIDの大腸発癌に対する感受性を検討した。SCIDとその親系統マウスC.B-17(雌6週令、各30匹)にAOMを10 mg/kg, i.p., 週1回、6週間投与し、対照群(各10匹)には生理食塩水を投与した。SCIDでは投与開始後12週で、C.B-17は14週で最初の腺癌が発生した。20週までに屠殺したマウスの内、SCIDは19匹中18匹、C.B-17 は6匹中5匹に大腸腫瘍が認められた。実験終了時(22週)においては、SCIDでは28匹、C.B-17は15匹に大腸腫瘍が認められた。対照群では両系統とも大腸腫瘍は発生しない。SCIDはC.B-17よりAOM誘発大腸発癌に対して高感受性を示した。SCIDにおけるミニサテライト配列の不安定化が、大腸発癌性に促進的に作用している可能性がある。