ABSTRACT 788(P1-9)
MNNGによるラット胃発がん抵抗性遺伝子の染色体3番及び4番へのマッピング:野本朋子1, 牛島俊和1, 山本昌美2, 吉田幸成1, 酒々井真澄1, 立松正衛2, 杉村隆1, 長尾美奈子1(1国立がんセ・研・発がん, 2愛知がんセ・研・1病)
Chromosomal mapping of the loci for the dominant resistance to MNNG-induced gastric carcinogenesis to rat chromosomes 3 and 4 : Tomoko NOMOTO1, Toshikazu USHIJIMA1, Masami YAMAMOTO2, Yukinari Yoshida1, Masumi SUZUI1, Masae TATEMATSU2, Takashi SUGIMURA1, and Minako NAGAO1 (1Carcinogenesis Div., Natl. Cancer Center Res. Inst., 2Lab. Pathol., Aichi Cancer Center Res. Inst.)
N-Methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine (MNNG)による胃発がんに対し、ACI/N (ACI)ラットは高感受性、BUF/Nac (BUF)ラットは抵抗性を示し、BUFラットの抵抗性が優性の形質を持つ。我々は、雄ACI x (ACIxBUF)F1 backcrossラット117頭を用いた発がん実験を行った。昨年までに、胃癌を発生したラットのDNAをプールし、ゲノムのサブトラクションを行うことで、胃癌発生に連鎖するマーカー1個(VG23)が分離された。本年は、161個のゲノムマーカーを用いてゲノム全体についての連鎖解析を行うことで、優性の胃癌抵抗性を与える遺伝子を、ラット染色体3番D3Rat55近傍(LOD score=3.6)及び4番Ampp近傍(LOD score=2.6)にマップした。昨年得られたVG23は、染色体4番に連鎖した。両座位でACI/ACIの遺伝子型を示すラットでは、胃癌発生が19頭中18頭で認められたのに対し、両座位でACI/BUFの遺伝型を示すラットでは、21頭中7頭であった。これらの染色体領域に存在する候補遺伝子の絞り込みのため、現在、ラットの頭数を増やした発がん実験を行っている。