ABSTRACT 790(P1-9)
 ポスターセッション一覧 トップ 


ラット舌癌発生における発癌感受性遺伝子の量的形質の解析: 田沼順一1, 志佐湍2, 日合弘3, 平山喜一4, 北野元生1(1 鹿児島大・歯・口腔病理,2 埼玉県立がんセ・研・病理,3 京大・医・病理,4 国立がんセ・研・発がん)

Quantitative trait loci affecting 4NQO-induced tongue carcinogenesis in the rat: Jun-ichi TANUMA 1,Hayase SHISA 2,Hiroshi HIAI 3,Yoshikazu HIRAYAMA 4,Motoo KITANO 1 (1Dept.Oral Pathol.,2Dept.Pathol,Saitama Cancer Center.,Res.,Inst.,3Dept.Pathol,Kyoto Univ.,4Carcinogenesis Div., Natl. Cancer Center Res. Inst.)

 我々は前回の学会においてヒト口腔癌の動物モデルとして、ラットにおける4NQO誘発口腔癌(主に舌癌)発生に高感受性系統であるDAラットと抵抗性系統であるWFラットを見出し、交配群 F1xDA, F1xWF を作成し発癌感受性遺伝子および抑制遺伝子を同定するためにLinkage 解析を行い、各々をマップすることができた。今回、我々は実験用ラットやプライマーを増やすことにより遺伝子座位の絞り込みをすることができた。さらに口腔内に発生した腫瘍の部位・数・大きさ(mm)を定量的パラメーターによるMapMaker/QTL解析を実行したところ、発癌感受性遺伝子に関して第19染色体上に有意の QTL(最大LOD値 6.08)を観察できたので Susceptibility to tongue cancer 1(Stc 1) と命名した。このほか、第3・14染色体上に弱いQTL(最大LOD値<3)が観察された。また、抑制遺伝子に関して第1染色体上に有意の QTL(最大LOD値 3.30)が得られたので Resistance to tongue cancer 1(Rtc 1)と命名した。本報は口腔癌の遺伝的感受性を明らかにした最初の報告である。