ABSTRACT 791(P1-9)
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リコンビナント・インブレッドLEXFラットを用いたPNU誘発リンパ腫発生関連遺伝子の遺伝的解析:志佐 湍1,路 霊敏2,田村 敦1,日合 弘21埼玉がんセ・研,2京大・医・病理)
  Genetic analysis of PNU-induced T-lymphoma development in LEXF RI strains of rat.: Hayase SHISA1,Ling-Min LU2,Atsushi TAMURA1,Hiroshi HIAI2(1Saitama Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. Pathol. Kyoto Univ.)

[目的]Propylnitrosourea(PNU)投与により F344系ラットにT−リンパ腫が, LE/Stm系ラットに赤芽球性白血病が高率に発生する。両系の遺伝的交配実験からT−リンパ腫の病型決定および発生に至る期間を決定する遺伝子が各々1個存在することを報告した。その後退交配実験群のマイクロサテライト法を用いた検索から,更に数個の関連遺伝子の存在が示唆されたので,この両系ラットから樹立したリコンビナント・インブレッド(RI) を用いて関連遺伝子の存在とその位置のマッピングを試みた。 [方法]上記両系のF2から兄妹交配を23代以上行い亜系を含めて24のRI系統を樹立。このうち23系について各々約20匹にPNUを経口投与し白血病を誘発した。これら個体の腎組織DNAを用いて両系間で多形を示した153マ−カ−について遺伝型を決定し,病型並びに発生期間についての Quantitative trait locus(QTL)解析を行った。[結果と考察]全系統で白血病は67〜100%に発生し,うちT−リンパ腫は4〜100%の発生を見た。この結果についてのQTL解析から少なくともT−リンパ腫発生に関して 5 loci,発生期間に関して3 loci の遺伝子関与が想定され,それぞれの染色体上の位置が決められた。この結果はリンパ腫発生には多数の遺伝子が拘わっていることを示唆する。