ABSTRACT 794(P1-9)
 ポスターセッション一覧 トップ 


WKAH.C-Wndラットにおける自然発生およびジエチルニトロサミン誘発発がん−LECラットとの比較:南 孝則1,矯 忠先1,松本耕三2,泉 啓介1(徳島大・医・1二病理,2動実)

Spontaneous and N-diethylnitrosamine-induced carcinogenesis of a new congenic strain, WKAH.C-Wnd rat : Takanori MINAMI1, Zhongxian JIAO1, Kozo MATSUMOTO2, and Keisuke IZUMI1 (2nd Dept. of Pathol., Inst. for Animal Exp., The Univ. of Tokushima Sch. of Med.)

[目的]肝細胞癌が自然発生するLECラットの肝発がんがWnd (Atp7b)遺伝子によるものかどうかを明らかにするために,WKAHラットにLECラットのWnd遺伝子を導入したコンジェニックラット(WKAH.C-Wndラット)の肝発がん性を検索する。[方法]6週齢の雄性LECラット,WKAH.C-WndラットおよびWKAHラット(各21匹)にDEN (100mg/kg)を2週おきに計3回皮下注射し,開始後50週で屠殺,剖検した。それぞれの系の対照群には0.9% NaClを皮下注射した。また51-120週齢の雌雄LECラットとWKAH.C-Wndラットの自然発生肝腫瘍の頻度を比較した。[結果]LEC,WKAH.C-Wnd,WKAHラットにおけるDEN誘発肝細胞癌の発生率は82%,100%,89%であった。一方,対照群の肝細胞癌発生率は6%,0%,0%であった。長期飼育無処置雌雄WKAH.C-WndラットにもLECラットよりやや低頻度ではあったが肝細胞性腫瘍の発生がみられた。[考察]LECラットのDEN感受性は銅代謝異常(Wnd遺伝子)で説明できることが示唆された。WKAH.C-Wndラットの腎および肺発がん性についても報告する。