ABSTRACT 795(P1-9)
 ポスターセッション一覧 トップ 


近交系 DRH ラットにおける発癌耐性と細胞増殖の抑制:深町幸代1,2,晏穎1,三浦正資1,3,後藤貞夫1,東監1,伊藤英明2,池村邦男3,,杉浦勉(産業医大・1生化学,21外科,3,歯口外,免疫)

Tolerance to hepatocarcinogenesis and suppression of cell proliferation in inbred DRH rats : Yukiyo FUKAMACHI1,2, Ying YAN1, Masayoshi MIURA1,3, Sadao GOTHO1, Ken HIGASHI1, Hideaki ITOH2, Kunio IKEMURA3,, Tsutomu SUGIURA4(1Dept. of Biochem., 2Dept. of Surg.1, 3,Dept. of Oral Surg., 4Dept. of Immunol. Univ. Occup. Environ. Health.)

化学発癌物質の投与で形成された DNA 付加体は DNA 複製により突然変異として固定される。発癌耐性ラット (DRH) とその親株である発癌感受性ラット (Donryu) を用い DNA 合成に関し以下の知見を得たので報告する。3'-Me-DAB 投与による DNA 付加体の形成は両ラット間で殆ど差のないことを昨年度の本学会で報告した。トリチウム-チミジンの肝 DNA への取り組みは 3'-Me-DAB 投与の初期 3W で Donryu ラット肝でのみ亢進がみられた。肝部分切除後の DNA 合成に関しては DRH で トリチウム-チミジンの取り込みのピークが Donryu よりも約 6h 遅れ、しかも低かった。硝酸鉛 (10マイクロモルズ/100g bd. wt.) 静注後肝 DNA 合成のピークは 48h で両者にみられたがそのレベルは DRH では Donryu と比べ著しく低かった。さらに 3'-Me-DAB 投与初期(2日目)に Donryu ラット肝では肝テロメラーゼ活性が誘導されるが、DRH ラットでは約1週間遅れた。