ABSTRACT 797(P1-10)
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無処置ラットの種々の臓器における8-hydroxyguanine (8-OHG)の局在の経年齢的変動:岸田秀樹,中江 大,小林洋三,赤井弘幸,堀口浩資,田村一利,小西陽一(奈良医大・がんセ・腫瘍病理)

Age-dependent Changes of Localization in Various Organs in Intact Rats: Hideki KISHIDA, Dai NAKAE, Yozo KOBAYASHI, Hiroyuki AKAI, Kousuke HORIGUCHI, Kazutoshi TAMURA, Yoichi KONISHI (Dept. Oncol. Pathol., Cancer Cntr., Nara Med. Univ.)

我々は,前回の本学会において,DNA抽出キットにより抽出したDNA中の8-OHGレベルをHPLC-ECD法を用いて測定し,そのラット諸臓器における経年齢的変化を報告した.本研究は,8-OHGに対する抗体を用いて免疫組織化学的手法により,各臓器における8-OHGの局在について検索した.検索は,無処置のFischer 344系雄ラットを3・6・18・26・52・104週齢にて屠殺し,脳・心・肺・膵・肝・胃・大腸・脾・副腎・腎・精巣を摘出し,ホルマリン固定パラフィン包埋切片を作製し,抗8-OHG抗体(日本老化制御研究所より提供)を用いて免疫組織化学的染色を行った.その結果,肺にて気管支上皮細胞,副腎にて皮質・髄質の実質細胞,大脳にてグリアおよび神経細胞,小脳にて小顆粒および小皮質細胞,精巣にて精祖および精母細胞,肝にて中心静脈付近の肝細胞と胆管上皮細胞,膵にて膵管上皮細胞,胃・大腸にて粘膜基底部の上皮細胞,腎にて近位および遠位尿細管上皮細胞に分布することが判明した.また,8-OHG陽性所見は,副腎,小脳および精巣においてのみ,加齢による減少・消失を認めた.以上の結果より,8-OHGのラット諸臓器それぞれにおける局在とその経年齢的推移が明らかとなった.