ABSTRACT 801(P1-10)
ディーゼル排気微粒子(DEP)気管内注入ラットの肺組織中8-ヒドロキシグアニン(8-OH-Gua)値とその修復酵素活性の検討:鶴留洋輔1.2, 平野雄1, 山口雷蔵1, 浅海信也1.2, 大和浩1, 田中勇武1, 嵯峨井勝3, 伊藤英明2, 葛西宏1(1産業医大・産業生態, 2一外, 3国立環境研)
Change of 8-hydroxyguanine levels and its repair activity in rat lung DNA after intratracheal instillation of diesel exhaust particles:Yosuke TSURUDOME1,2, Takeshi HIRANO1, Raizo YAMAGUCHI1, Shinya ASAMI1,2, Hiroshi YAMATO1, Isamu TANAKA1, Masaru SAGAI1, Hideaki ITOH2, Hiroshi KASAI1(1Inst. Indust. Ecolog. Sci. and 2First Dept. Surg., Univ. Occup. Environ. Hlth., 3Natl. Inst. Environ. Studies)
【目的】ディーゼル排気微粒子(DEP)は多量の活性酸素を産生し細胞毒性や発癌性を示す事が知られている。我々はこのDEPをラット気管内に注入し、8-OH-Gua値及びその修復酵素活性を肺組織中で測定し、これらの経時的変化及び投与量の影響を検討した。【材料及び方法】8週齢F344系雄性ラットにDEP(0, 2 or 4 mg)を気管内注入後、2, 8時間後, 1, 2, 5, 7日後に屠殺し肺を摘出し、肺組織中の8-OH-Gua値をHPLC-ECDで、叉修復酵素活性を8-OH-Guaを含む22mer DNAを用いたnicking assayにより測定した。【結果及び考察】DEP4mg投与群では、コントロール群に比べ8-OH-Gua値は2時間後より有意に増加しその後も高値が維持され、修復酵素活性は8時間後より有意に低下し2日後までその傾向が維持された。以上より、DEPは肺組織中8-OH-Gua値の増加と修復酵素活性の低下を早期よりもたらす事が判明し、DEPが8-OH-Guaの修復酵素活性を阻害した結果、8-OH-Guaが蓄積した可能性が示唆された。