ポスターセッション

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ESRによる胃癌部検出に関する基礎的検討：三国利美子, 飯石浩康, 竜田正晴　（大阪成人病セ・研２）

Detection of the gastric tumor of rats using ESR: Tomiko MIKUNI, Hiroyasu IISHI, Masaharu TATSUTA (Dept. of Gastrointest. Oncol., Osaka Medical Ctr. Cancer & Cdv. Dis.)

【目的】ESRによる癌の画像解析を目的として，ラット胃の発癌部と正常部の還元速度を測定比較することより発癌部を検出しうるか否かを検討した。
【方法と結果】MNNGの経口投与により発生した幽門部の胃癌部と無処置，同週令のラット幽門腺粘膜の一定容積を切り出し，断片上にnitroso radical,TEMPOLを塗布後，TEMPOLの１分間の還元率をESRで測定した。１) TEMPOL（4 umole/mg wet weight) 単独塗布後の発癌部および正常部での還元率は30％，25％で有意だった。2) Ascorbate (AsA) oxidase (0.16 unit/mg wet weight)の前処置により両者とも還元が阻止された。3) SH基の修飾剤N-ethylmaleimide各々1.6 ，0.32 x mmole/mg wet weightで前処置された発癌部，正常部で還元が抑制された。Glutathione (pH 7.4)単独では還元されなかった。4）dehydroxyascorbate (DHA, ４0 umole/mg wet weight) 添加TEMPOL液をPBS添加液と比較した結果，発癌部はDHA添加により還元率が1.3倍速くなったが正常部は有意差がなかった。
【考察】胃癌部のDHAからAsAへの再生速度は正常部より速い結果，TEMPOLの還元速度が速くなる。これにはSH基の関与が示唆される。
【結語】胃のDHA添加TEMPOL液の還元速度をESRで測定することにより発癌部の検出が可能である。