ABSTRACT 907(P3-2)
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生薬及び漢方方剤によるラットAOM誘発大腸粘膜異常腺窩発生の抑制 : 福武昌人1,高橋真美2,福田一典2,久保正良1,若林敬二2,小松靖弘1,雨谷栄11(株)ツムラ・中央研,2国立がんセ・研・がん予防,3岐阜大・医・東洋医学)

Inhibitory effect of medicinal herbs and a traditional herbal medicine on azoxymethane-induced aberrant crypt foci formation in rat colon : Masato FUKUTAKE1, Mami TAKAHASHI2, Kazunori FUKUDAa2, Masayoshi KUBO1, Keiji WAKABAYASHI2, Yasuhiro KOMATSU1 and Sakae AMAGAYA1 (1Central Research Laboratories, Tsumura & Co., 2Cancer Prevention Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 3Gifu Univ. Oriental Med.)

食生活の欧米化に伴い我が国における大腸がんの発生率は増加しており、大腸がんの化学予防剤を開発することは重要である。そこで、抗炎症作用を有する各種生薬及び黄連解毒湯の大腸粘膜異常腺窩(ACF)の発生に対する抑制作用を検討した。6週齢のF344雄ラットにアゾキシメタン(AOM) 15mg/kg体重を週1回、2週間皮下投与した。生薬はエキス末とし、2%の濃度で飼料に混ぜ、AOM投与前日より投与した。実験開始より4週間後に大腸を摘出し、ホルマリンで固定した。ACF数は、大腸をメチレンブルーで染色し測定した。その結果、黄連、黄ごん、黄柏、山梔子、及びこれらの生薬から構成される黄連解毒湯はACFの発生を有意に抑制した。その抑制率は16−75%であった。次に、シクロオキシゲナーゼの阻害活性を調べたところ、黄連解毒湯が、シクロオキシゲナーゼ2を選択的に阻害し、更にその作用は、構成生薬である山梔子、黄柏に由来することがわかった。現在更にこれらの活性がどの化合物に由来しているか検討している。