ABSTRACT 910(P3-2)
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紅参の肝発癌修飾作用:肝中期発癌性試験法(Ito法)による検討:市原敏夫1, 鰐渕英機1, 李 威1、北野光昭1、西野輔翼2、福島昭治11大阪市大・医・1病理、2京都府立医大・生化)

Modifying effects of red ginsenga on DEN-induced GST-P positive foci in a rat liver medium-term bioassay:Toshio ICHIHARA1, Hideki WANIBUCHI1, Li WEI1, Mitsuaki KITANO1, Hyoku NISHINO2, Shoji FUKUSHIMA11First Dept.Pathol.,Osaka City Univ. Med. Sch., 2Dept. Biochem, Kyoto Pref.Univ.)

【目的】高麗人参(紅参)は広く健康保持のために使用されており、肝発癌の予防への応用も検討されている。今回、紅参が肝癌の発生をどのように修飾するかを、ラット肝中期発癌性試験法(Ito法)を用いて検討した。【方法】動物は6週齢のF344/DuCrj雄ラットを用い、5群に分けた。各群にdiethylnitrosamine 200mg/kg bwを1回腹腔内投与し、その2週間後より6週間にわたって第1〜4群にはそれぞれ紅参粉末1、0.3、0.1、0.03%を混餌投与し、第5群には基礎食を与えた。またすべてのラットに実験開始より3週目に2/3肝部分切除を行った。実験開始8週終了後屠殺し、肝の前癌病変の指標であるglutathione S-transferase胎盤型(GST-P)陽性細胞巣の出現およびTGF-α陽性細胞巣を免疫組織学的に検索した。また細胞増殖の指標としてBrdU標識率についても測定した。【結果】肝のGST-P陽性細胞巣は、発生個数(個/cm2)は第1群が3.82、第2群が3.08、第3群が3.55、第4群が2.89、第5群が3.39、面積(mm2/cm2)では第1群が0.37、第2群が0.30、第3群が0.30、第4群が0.31、第5群が0.33であり、個数、面積ともに紅参投与により有意な差を認めなかった。TGF-α陽性細胞巣およびBrdU標識率も紅参投与により有意な差を認めなかった。【結論】紅参は肝GST-P陽性細胞巣の発現に影響しなかった。