ABSTRACT 918(P3-2)
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PhIP誘発ラット乳腺・大腸発癌におけるcaffeine, α-tocopherol, n-tritriacontane-16, 18-dioneの促進および抑制作用:杉浦 諭1, 広瀬雅雄1,2, 萩原昭裕1,3, 金子秀雄4, 駒井浩一郎4, 伊東信行1, 白井智之11名市大・医・1病理, 2国立医衛研・病理, 3大雄会医科研, 4住友化学・生科研)

Modifying effects of caffeine, α-tocopherol and n-tritriacontane -16, 18-dione on PhIP-induced mammary and colon carcinogenesis in female F344 rats : Satoshi SUGIURA1, Masao HIROSE1,2, Akihiro HAGIWARA1,3, Hideo KANEKO4, Kouichiro KOMAI4, Nobuyuki ITO1, Tomoyuki SHIRAI1(11st Dept.Pathol., Nagoya City Univ.Med.Sch., 2Div.Pathol., National Inst.Health Sci., 3Daiyu-kai Inst. Med.Sci., 4EHSL, Sumitomo Cemical Co.,Ltd.)

【目的】caffeine, α-tocopherol(α-TP)及びユーカリの葉から抽出したn-tritriacontane-16, 18-dione(TTAD)についてPhIP誘発ラット乳腺・大腸発癌における修飾作用を検討した。【方法】6週齢雌F344ラットを用い0.02%PhIP混餌投与群, PhIP+0.1% caffeine飲水投与群, PhIP+0.5% α-TP混餌投与群およびPhIP+0.1% TTAD混餌投与群を設け54週間投与した後屠殺剖検し, 大腸・乳腺について病理組織学的検索を行った。またPhIP代謝活性化に対するcaffeineの影響についてもin vitroで検討した。【結果】PhIP+caffeine投与群では乳腺腫瘍, 大腸腫瘍の発生率がPhIP単独のそれぞれ40%, 15%に対し10%, 75%と乳腺では抑制, 大腸では促進と相反する結果が得られた。PhIP+α-TP ならびにPhIP+ TTAD投与群でも乳腺腫瘍発生率が抑制される傾向が認められた。in vitroではS9 mixとNADPH存在下でcaffeineの添加によりPhIP代謝産物の生成が用量相関性に減少した。【結論】caffeineはPhIP代謝活性化を抑制しPhIP誘発乳腺発癌を抑制するが, 逆に大腸発癌に対しては促進作用を有することが明らかとなった。α-tocopherol およびTTADは乳腺発癌に対して弱い抑制作用を有することが示唆された。