ABSTRACT 920(P3-2)
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マウス子宮内膜発癌に対するビタミンEの影響:丹羽憲司,橋本 緑,森下重雄,伊藤恒夫,玉舎輝彦(岐阜大・医・産婦)

Effect of Vitamin E on mouse endometorial carcinogenesis induced by N-methyl-N-nitrosourea and 17β-estradiol:Kenji NIWA, Midori HASHIMOTO, Shigeo MORISHITA, Tsuneo ITOH, Teruhiko TAMAYA (Dept. of Obstet. & Gynecol, Gifu Univ. Sch. Med.)

[目的]ビタミンEは抗酸化剤であり、これまでに多くの発癌抑制に関する報告があるが、内膜発癌に関する報告は少ない。今回、我々はマウス子宮内膜発癌モデルを用いて、ビタミンEの影響を過剰、欠乏両面から検討したので報告する。[方法]N-methyl-N-nitrosourea (MNU) と17β-estradiol (E2) 誘発マウス内膜発癌モデルを用いた。10週齢ICR雌マウスを開腹し、左子宮腔内にMNU投与後、計120匹のマウスを8群に分割し、promotion phaseにVit E添加食+E2, Vit E欠乏食+E2, cont食+E2投与群およびVit E添加食, Vit E欠乏食, cont食単独投与群と各コントロール群を設定し実験を開始した。30週にて実験終了し、病理学的に内膜病変を主に生殖器の腫瘍性変化を検索し、内膜癌、内膜増殖症発生頻度を各群間で比較した。尚、投与カロリーは各群間で調整済みで実験を遂行した。[成績]MNU+E2投与群では高頻度に内膜増殖症が発生した。腺癌発生頻度はVit E過剰、欠乏などによる影響は認めなかった。MNU+Vit E+E2投与群では対照群やVit E欠乏食群に比して内膜増殖症発生頻度は減少していたが、有意な差は認めなかった(単純性内膜増殖症:25%: 43%: 88%)。[結論]今回用いたマウス内膜発癌実験系では、Vit Eの過剰投与や欠乏による内膜癌、内膜増殖症発生頻度に対する影響は認められなかった。したがって、マウス内膜発癌に対するVit Eの影響は乏しいものと推察された。