ABSTRACT 924(P3-2)
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強心性 ステロイドの抗発癌プロモータ ー活性 (2):稲田昭、徳田春邦、西野輔翼摂南大・薬、京都府立医大・生化)

Anti-tumor promoting activities of cardiac steroids and their glycosides (2): Akira INADA, Harukuni TOKUDA, Hoyoku NISHINO ( Fac. Pharm. Sci., Setsunan Univ., Dept. Biochem., Kyoto Pref. Univ. Med.)

[目的] 我々は、発癌予防の見地から動植物中に含まている、各種化合物の抗発癌プロモーター活性の検討を行なっている。すなわち in vitro の一次スクリーニングとして Epstein-Barr virus (EBV) 活性化抑制効果を検討し、抑制効果の強い検体についてはさらに in vivo 試験として、マウス皮膚発癌二段階抑制試験等を行ない、抗発癌プロモーターとしての評価を行なってきた。その結果、これまでに、生薬 "ジギタリス" に含まれる強心性ステロイド配糖体(カルデノライド)に強い抗発癌プロモーター活性がある事が判明した.1) 今回は、動物生薬 "センソ"> に含まれるカルデノライド類似の強心性ステロイド(ブファジエノライド)の抗発癌プロモーター活性について検討したので報告する。
[結果] ブファジエノライドはカルデノライドと同様、低濃度においても非常に強いEBV 抑制活性を示した。指示細胞に対する細胞毒性は、カルデノライドが非常に強いのに対して、ブファジエノライドのそれは中程度であった。抑制活性の強かったブファジエノライドの内、2種の化合物(=ブファリン、レジノブフォゲニン)につき、現在 in vivo の系でのマウス皮膚発癌二段階抑制試験を行なっている。 
1) A Inada, H. Tokuda et al, Biol. Pharm. Bull., 16, 930 (1993).