ABSTRACT 926(P3-2)
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β-cryptoxanthinの発がん抑制効果に関する検討:小野塚真理1,増田光治1,鶴田 淳2,山口紫野1,馬場正樹3,高須賀信夫4,矢野昌充5,西野輔翼1(京都府立医大・1生化,2二外,3明治薬大・天然薬物, 4国立がんセ・研・化療,5果樹試験場・カンキツ部)

Antitumor-promoting effects of β-cryptoxanthin:Mari ONOZUKA1, Mitsuharu MASUDA1 Atsushi TSURUTA2, Shino YAMAGUCHI1, Masaki BABA3,Nobuo TAKASUKA4, Masamitsu YANO5,Hoyoku NISHINO1(1Dept.of Biochem, 2Dept.of 2nd Surg.,Kyoto Pref.Univ.Med.,3 Dept.of Natural Med.&Phytochem.,Meiji Col.of Pharmacy, 4Exp.Pathol.&Chemother.Div.,Natl.Cancer Ctr.Res.Inst.,5Citrus Div.,Fruit Tree Res.Station)

【目的】β-cryptoxanthinはカンキツ類(特にウンシュウミカン)に豊富に含まれており、日本人が多く摂取しているカロテノイドである。そこでβ-cryptoxanthinの発がん抑制効果を検討した。また、その作用機序の解析も行った。
【方法】ICR雌マウスの背部皮膚における2段階発がん実験系(Initiator:DMBA,Promoter:TPA)を用いて、β-cryptoxanthinの抗プロモーション効果を検定した。またTPAにより誘導されるODC活性に対するβ-cryptoxanthinの抑制効力を検定した。β-cryptoxanthinはTPAの50または100倍量をTPA処理の1時間前にそれぞれ塗布した。更にRB gene promoter活性に対する影響についても検討した。
【結果】マウス皮膚2段階発がんモデル実験においてβ-cryptoxanthinは、一匹当たりの腫瘍発生数がコントロール群に対し用量依存的に抑制した。またODC活性もコントロール群に対し用量依存的に抑制した。さらにRBgene promoter活性を用量依存的に促進した。これらの結果から、β-cryptoxanthinは発がん予防に有用と評価された。