ABSTRACT 929(P3-2)
 ポスターセッション一覧 トップ 


雌ラット主要臓器に対する超臨界抽出プロポリスの発癌修飾作用: 加藤浩司1, 広瀬雅雄1,2, 木本直哉1, 山口 剛1, 宮高透喜3, 佐藤利夫3, 白井智之11名市大・医・1病理, 2国立医衛研・病理, 3徳島文理大・薬)

Effect of super critical fluid extracted propolis in multi-organ carcinogenesis model using female rats: Koji KATO1, Masao HIROSE1,2, Naoya KIMOTO1, Tsuyosi YAMAGUCHI1, Hideki MIYATAKA3, Toshio SATO3, Tomoyuki SHIRAI1
(11st. Dept. Pathol., Nagoya City Univ. Med. Sch., 2Div. Pathol., Natl. Inst. Health Sci., 3Fac. Pharm. Sci., Tokushima Bunri Univ.)

【目的】健康維持食品であるプロポリスのラット諸臓器に対する発癌修飾作用を雌多臓器中期発癌性試験法を用いて検討した。 【方法】6週齢F344雌ラットを用い、DHPN、BBN、DMBA、DMHでのイニシエーション処置終了3日後から、プロポリス (超臨界抽出)を0.1%および0.01%濃度で混餌投与した。実験36週経過後、屠殺剖検し、諸臓器について病理組織学的検索を行った。【結果】乳癌の発生率及び1匹当たりの発生個数は、0.1%プロポリス群ではそれぞれ57%、0.6個、0.01%では52%、0.7個とイニシエーション単独群の86%、1.6個と比較し有意に減少した。一方、肝のGST-P陽性細胞巣の単位面積当たりの数及び面積は0.1%プロポリス群では10.8個 / cm2、2.0mm2 / cm2であり、イニシエーション単独群の7.1個 / cm2、1.2 mm2 / cm2と比較して有意に増加した。大腸、肺、腎および膀胱発癌に対する明らかな発癌修飾作用は見られなかった。【結論】超臨界抽出プロポリスは雌ラット乳癌の発生を明瞭に抑制したが、肝発癌に対しては高濃度で弱いながら促進的に作用する可能性のあることが示唆された。