ポスターセッション

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ラット多臓器発がんモデルによるテトラヒドロクルクミンの発がん抑制効果：高須賀信夫¹、安田有利¹、朴哲範１、金大中¹、関根一則¹、牛田吉彦¹、裏地達哉²、大澤俊彦³、津田洋幸¹（¹国立がんセ・研・化療、²日研化成、³名大・農・食品機能化）

Chemopreventive effects of tetrahydrocurcumin in a rat multi organ carcinogenesis model:Nobuo TAKASUKA¹, Aritoshi YASUDA¹, Cheol Beom PARK¹, Dae Joong KIM¹, Kazunori SEKINE¹, Yoshihiko USHIDA¹, Tatsuya URAJI², Toshihiko OSAWA³, Hiroyuki TSUDA¹, (¹Exp.Pathol.& Chemother. Div. Natl. Cancer Center Res.Inst., ²Nikken Fine Chemical Co.Ltd., ³Lab.Food & Biodynamic, Nagoya Univ. Sch.Agricul. )

【目的】ターメリックに含まれるクルクミンの体内代謝物質であるテトラヒドロクルクミン（THC)がマウス大腸ACFを抑制することを以前報告した。今回は肺、肝、大腸、食道を標的臓器とするラット多臓器発がんモデルに対するTHCの発がん抑制効果を検討したので報告する。【方法】５週齡雄 F344 ラットを３群に分け、第１及び２群にはDEN 100mg/kgを腹腔内投与し２、３週目にAOM20mg/kgを皮下投与、さらに４、５週目にNMBA0.5mg/kgを週５回皮下投与した。第３群は生理食塩水投与の対照群とした。第１、３群には0.5、0.25％の THCを混餌投与した。第２群には基礎食を投与した。実験開始から40週目に解剖し、各標的臓器の肉眼所見、組織学的検討、BrdU取り込み率の計測を行った、肝ではGST-P陽性細胞数を、大腸ではACFを計測した。【結果】肺の腫瘍結節（過形成巣と腺腫）の発生頻度は、対照群の80.6％に対して0.5％THC投与群では52.0％と有意に抑制されたが発生数に差は無かった。大腸では3crypts以上のACFの数が対照群の66.6±5.1に対して0.5％THC投与群では45.6±6.1と有意に抑制されたが、腫瘍の発生頻度、発生数とも有意な差はなかった。肝臓及び食道では腫瘍の発生頻度、発生数とも有意な差はなかった。(文部省科研費、厚生省がん研究助成金・新がん克服10か年戦略事業による）