ABSTRACT 932(P3-3)
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胃がん予防のための食事介入研究:パイロット研究における胃がん関連栄養素摂取量の変化:佐々木敏,津金昌一郎(国立がんセ・臨床疫学)

Dietary intervention study for stomach cancer prevention: Change in dietary intake on stomach cancer-related nutrients at the pilot study: Satoshi SASAKI, Shoichiro TSUGANE (Epidemiology & Biostatistics Division National Cancer Center)

【目的】胃がん高危険地域における胃がん予防を目的とした食事介入研究の介入システムを開発し,その実施可能性を小規模集団で検討すること.【方法】秋田県横手地域在住の35-59歳の健康な女性40名を対象とし,同地域で実施を予定している「胃がん高危険度地域一般住民を対象とする胃がんの食事関連危険因子の軽減をめざした効果的な食事指導システムの開発及びその評価研究」(参加予定者数約500名)で用いるために開発した食事指導システムを用いて胃がんに関連する3栄養素(食塩,C,)について1か月間の食事指導を行い,指導の前後における摂取量の短期変化を観察した.上記3栄養素の目標摂取量はそれぞれ8.0g/日,200mg/日,5000μg/日に設定した.栄養素摂取量の変化は調査票(自記式食事歴法: DHQ)を用いた食事調査とともに生体指標も用いて検討した.【結果】DHQによる指導前の食塩,C,の平均摂取量はそれぞれ12.7g/日,127mg/日,1867μg/日,指導後はそれぞれ9.8g/日(23%減:p<0.0001),150mg/日(18%増:p<0.05),3331μg/日(78%増:p<0.0001)であった.総及び検討された他の20種の栄養素については,Aとの増加,n-3系多価不飽和脂肪酸摂取量の減少以外には有意な変化は観察されなかった.対象地域の設定,目標摂取量の設定,一般住民への指導システムの適用可能性ともに適当であると判断された.本研究は横手保健所,平鹿総合病院との共同研究である.