ABSTRACT 934(P3-3)
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1,2-dimethylhydrazine(DMH)誘発ラット大腸発癌に対する茶カテキンの効果-組成,投与方法,投与量の差異による影響:木本直哉1, 広瀬雅雄1,2, 小川久美子1, 小木曽正1, 池田佳久1, 白井智之11名市大・医・1病理, 2国立医衛研・病理)

Effects of different source of green tea catechins on DMH-induced rat colon carcinogenesis : Naoya KIMOTO1, Masao HIROSE1,2, Kumiko OGAWA1, Tadashi OGISO1, Yoshihisa IKEDA1, Tomoyuki SHIRAI1 (11st.Dept.Pathol., Nagoya City Univ., Med.Sch., 2Div. Pthol., Natl.Inst.Hlth.Sci.)

【目的】茶カテキンは発癌抑制物質として注目されているが,我々のラット中期発癌試験法およびDMH単独の大腸発癌モデルを用いた研究では大腸発癌に対して抑制作用は認められなかった。今回,これらの結果を再確認する目的で,供給元の異なる2種類のカテキンを異なる方法で投与し,DMH誘発大腸発癌に対する修飾作用を検討した。【方法】各21匹のF344系雄ラットにDMH40mg/kg体重を週2回計6回皮下投与し,実験開始3週目より2種類のカテキン(三井農林,EGCG58%;太陽化学,EGCG37%)を0.1あるいは0.01%の濃度で混餌あるいは飲水投与した。また,対照にはDMHのみを投与した群を設けた。実験は全経過36週で終了し,大腸を中心に病理組織学的に検査を行なった。【結果】0.01%カテキン(三井農林)混餌投与群および0.1%カテキン(太陽化学)飲水投与群で弱いながら癌の平均発生個数が有意に増加した。しかし,腫瘍の大きさでは飲水投与量で用量相関性の減少傾向が認められた。【結論】カテキンは本実験条件下ではDMH誘発大腸発癌に対して少なくとも明確な抑制効果を示さないことが確認された。