ポスターセッション

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乳酸菌生産物質のDMH誘発マウス大腸発癌の抑制効果：新 良一¹、鈴木百々代¹、水谷武夫² (¹(株)エイ・エル・エイ、²理研・動物試験室)　　　

Effects of products of lactic acid bacteria on colonic carcinogenesis induced by 1,2-dimethylhydrazine in mice: Ryouichi SHIN¹, Momoyo SUZUKI¹, Takeo MIZUTANI² (¹ALA Co., ²Laboratory animal research center, RIKEN)

【目的】 乳酸菌や乳酸菌発酵物の癌抑制作用への関与については多数の報告がある。我々は、植物性タンパク質を培養基として、16種類の乳酸桿菌、乳酸球菌および酵母を共棲培養して得られた乳酸菌生産物質（SG）の有用性に着目し、本物質のDMH誘発マウス大腸発ガン抑制効果について以下の実験を行った。
【方法】 5週令のCF#1雄マウス(1群20匹)に、対照群には基礎飼料のみを、投与群には同飼料に3%の割合でSGを添加し自由摂食とした。摂食開始と同時に、1,2-dimethylhydrazine・2HCl (DMH, ALDRICH社製)溶液を週1回、10週にわたり腹腔内投与(20mg/kg体重)し大腸癌を誘発した。投与35週目に大腸腫瘍の個数、長径を測定し、癌病変の観察を行った。
【結果と考察】 発生した腫瘍は病理組織学的には全て腺癌であった。大腸腫瘍の発生率は、対照群94％、SG群65％であり、対照群に比べSG群は有意 (p<0.05) に低率であった。マウスあたりの腫瘍の個数は対照群で4.0 ± 2.7 (Mean±S.D) 個に対し、 SG群1.4±1.5 (p<0.01) と有意に減少した。腫瘍の長径は投与群が3.1±1.7mmであったのに対しSG群で2.5±1.3と有意 (p<0.05) に小さかった。以上の結果より、SGはDMH誘発マウス大腸発癌において、発癌の抑制効果を示した。