ポスターセッション

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Azoxymethane(AOM)誘発マウス大腸発癌に対する微細化小麦ファイバー(MFW)の抑制効果：高橋琢也,佐藤美紀子, 境谷有希子, 渡邉奈満, 高木陽光, 内田和美, 松本圭介, 諸富正己（ヤクルト中研）

Inhibitory effect of microfibril wheat bran on AOM-induced mouse colonic carcinogenesis.: Takuya TAKAHASHI, Mikiko SATOH, Yukiko SAKAITANI, Nami WATANABE, Akimitsu TAKAGI, Kazumi UCHIDA, Keisuke MATSUMOTO, Masami MOROTOMI (Yakult Central Institute for Microbiological Research)

[目的]微細化小麦ファイバー(MFW)は高い保水能を有し、セルロース(CL)よりも高い消化管内容物滞留時間短縮効果を示す。我々はAOM誘発マウス大腸発癌に対する MFW の抑制効果を原料の小麦ふすま(WB)及びCLと比較検討した。
[方法]６週令の CF1マウスにAOM(10mg/kg体重)を週1回計６回皮下投与した。AOM投与の１週前より、MFW、WB、CL(各20％(w/w))を含む改変AIN76A飼料を投与し、実験開始34週目に屠殺し大腸腫瘍を検索した。また、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸量及び水分含量等も測定した。
[結果]マウス当たりの腫瘍数はCL投与群(7.56±1.33)に対してWB投与群で減少傾向を示し(5.44±1.30)、MFW投与群では有意に減少していた(3.00±0.64、P<0.05)。また、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸量（特に酢酸、プロピオン酸、酪酸等）及び水分含量はCL投与群に比較して、MFW投与群で有意に高くなっていた。
[考察]MFWによる大腸発癌抑制効果には、高い保水能に伴う消化管内容物滞留時間の短縮とアポトーシスを誘導する酪酸等の増大が関与しているものと考えられた。