ABSTRACT 943(P3-3)
 ポスターセッション一覧 トップ 


緑茶ポリフェノールによる前立腺癌予防効果の基礎的検討:後藤章暢1,松本浩彦2,山根哲郎3,白川利朗1,原 勲1,郷司和男1,岡田弘1,荒川創一1,西野輔翼2,守殿貞夫11神戸大・医・泌,2京都府立医大・医・生化,3松下記念病院・外)

Chemopreventive effects of green tea polyphenols on prostate cancer :Akinobu GOTOH1, Hirohiko MATSUMOTO2, Tetsuro YAMANE3, Toshiro SHIRAKAWA1, Isao HARA1, Kazuo GOHJI1, Hiroshi OKADA1, Soichi ARAKAWA1, Hoyoku NISHINO2, Sadao KAMIDONO1 (1Dept. of Urology, Kobe Univ. 2Dept. of Biochem., Kyoto Pref. Univ. of Med. 3Dept. of Surg., Matsushita Memorial Hosp.)

緑茶の発がん抑制効果に関しては、消化器癌予防をはじめとして様々な報告がなされており、1997年より米国においても臨床試験が試みられつつある。今回、前立腺癌における緑茶の効果を基礎的に検討した。前立腺癌細胞PC-3、DU145、LNCaPに対し緑茶抽出物の主要成分であるEC、ECG、EGC、EGCgを用い、抗腫瘍効果をin vitroにおいて検討した。また、BALB/cヌードマウスの前立腺に1X105のPC-3細胞を注射し、その前後各4週間、緑茶抽出物(GTE)とコントロールとしての水道水(TW)の2種類を経口摂取させGTE+ GTE、GTE+TW、TW+GTE、TW+TWの4グループに分け、マウス前立腺における腫瘍生着率を比較検討した。In vitroにおいてPC-3、DU145、LNCaPのいずれもEGCgが最も抗腫瘍効果を示した。In vivoにおいてGTE+GTE群は53.3%、GTE+TW群は73.3%、TW+GTE群は86.7%、TW+TW群は93.3%の腫瘍形成率であり、水道水群に比べて緑茶投与群で有意な生着抑制効果を認めた。緑茶抽出物には前立腺発癌における予防効果が認められ、今回の検討より臨床応用への可能性が示唆される。