ABSTRACT 944(P3-3)
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フモニシンB1誘発マウス発癌に対する緑茶抽出物の抑制作用(第2報):松本浩彦1,徳田春邦1,増田光治1,山根哲郎2,西野輔翼11京都府立医大・生化,2松下記念病院・外科)

Inhibitory Effects of Green Tea Polyphenols on Fumonisin B1 Induced Carcinogenesis in Mice:Hirohiko MATSUMOTO1, Harukuni TOKUDA1, Mitsuharu MASUDA1, Tetsuro YAMANE2, Hoyoku NISHINO1. (1Dept. Biochem., 2Dept. Surgery, Matsushita Memorial Hosp.)

昨年の本学会において我々は、DMBA+フモニシンB1誘発マウス皮膚二段階発癌抑制実験を行い、緑茶ポリフェノール類の塗布による抑制効果について報告した。今回は緑茶抽出物 (GTE)の飲水投与モデルにおいて、同様の検討を行い、飲水投与による効果を検討した。マウス背部にDMBAをイニシエーターとして100μgを塗布し、その1週間後から0.0025%のGTEを自由飲水させた。さらにGTEの飲水を開始した翌日からフモニシンB1をプロモーターとして36.8μg背部に塗布し始め、その処理を1週について2回、20週間連続に行った。プロモーション後、20週目で腫瘍発生を観察したところ、緑茶ポリフェノール飲水投与群はコントロール群に比較して、担がん率(コントロール:100%、GTE:80%)、マウスあたりの発がん個数(コントロール:8.7、GTE:6.2、数字は平均値)ともに、有意な抑制効果を認めた。今回の検討により緑茶ポリフェノール類が、塗布・飲水投与の両投与形式においてフモニシンB1のプロモーション活性を抑制することが明らかとなり、緑茶による発癌抑制効果の多様性が示唆された。また、現在マウス十二指腸発癌モデルにおけるフモニシンB1の作用修飾と、緑茶によるその抑制効果についても検討中であり、併せて報告する予定である。