ABSTRACT 945(P3-3)
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乳酸桿菌 L. caseiシロタ株の経口投与によるメチルコランスレン発癌抑制効果:高木陽光,松崎 健,佐藤美紀子,野本康二,諸富正己,横倉輝男(ヤクルト・中研)

Inhibitory effect of oral feeding of Lactobacillus casei strain Shirota on 3-methylcholanthrene-induced carcinogenesis in mice : Akimitsu TAKAGI, Takeshi MATSUZAKI, Mikiko SATO, Koji NOMOTO, Masami MOROTOMI, Teruo YOKOKURA(Yakult Central Institute for Microbiological Research)

【目的】発酵乳製品の製造に使用されている乳酸桿菌L. caseiシロタ株 (LC) の宿主を介する様々な生理効果が報告されている。本研究では、3-methylcholanthrene (MC) 発癌モデルを用いて、LCの経口投与による発癌抑制効果および発癌過程における宿主免疫能への影響を検討した。
【方法】7週齢の雄性C3H/HeNマウスに、MC(1 mg/マウス)を単回皮内接種した。MC接種当日より、LCの加熱死菌体 0.05% 含有飼料を4ヶ月間自由摂食させた。腫瘍発症率、脾臓リンパ球のConcanavalin A刺激幼若化反応、および表面抗原(CD3, CD4, CD8)について解析した。
【結果】LC投与群では非投与群に比べて、腫瘍発症の遅延および腫瘍発症率の有意な低下が観察された。MC接種後に認められた脾臓リンパ球の幼若化反応とCD3、CD4、CD8陽性細胞比率の低下傾向は、LCの投与により正常化されていた。
【結論】LCの経口投与は、MC誘発化学発癌の予防に有用であることが示された。その作用機序として宿主免疫系への関与が考えられた。