ABSTRACT 956(P3-5)
アップルぺクチンの大腸癌抑制-抽出オリゴ糖による活性酸素抑制:田澤賢次1,半明敬子1,田中愛子1,並川宏英1,大上英夫2,斎藤智裕2,山崎一麿2,岡本政広2,山下 巌2,竹森 繁2(1富山医薬大医・看外,22外)
Inhibitory effects of Apple pectin in colon carcinogenesis-Evaluation of the radical scavenging activity of pectic oligosaccharide by ESR : Kenji TAZAWA1, Keiko HANMYO1, Aiko TANAKA1, Hirohide NAMIKAWA1, Hidio OHKAMI2, Tomohiro SAITO2, Kazumaro YAMAZAKI2, Masahiro OKAMOTO2, Iwao YAMASHITA2, Shigeru TAKEMORI2 (1Dept. of Clin. Nur., 22nd Surg.,Toyama Med. Pharm. Univ.)
大腸癌発生抑制について、腸内細菌叢に影響を与えるアップルペクチン(AP)がシュトラスペクチンより秀れていることを報告した。今回、APから得られたオリゴ糖による活性酸素及びハイドロキシラジカル抑制を検討した。【方法】オリゴ糖はSetereum perpureumの培養上清より 得られたpolygalacturonic acidより調整し、更にPectinase-GODO endo-PGによりOligosaccharideとし、重合度によりLL(26.6) L(19.9),M(14.6), S(4.1) の4群に分けて、それぞれの 0.2, 2.0,20mg/mlの水溶液としてESRによる活性酸素抑制とハイドロキシラジカル抑制を検討した。【結果】オリゴ糖による活性酸素抑制率は0.2,2.0,20mg/mlでそれぞれ0.9,8.4,30.4(%)、重合度別では、LL(2.8,-0.1,17.2%),L(4.4,-1.8,18.7%),M(-4.0,-0.2,14.4%), S(11.6,26.3,48.9%) とS分画に強い抑制を認めた。ハイドロキシラジカル抑制はオリゴ糖では,-0.2,30.7,88.6(%)、LL(-2.0,0.3,10.1%),L(-7.2,-3.2,1.2%), M(-3.4,-4.1,8.6%), S(8.8, 35. 9,84.3%)であり、S分画にのみ強い抑制効果を認めた。このS分画を121℃,30分間の熱処理後も抑制率に変化はなかった。【結語】S分画によるin vivoにおけるスカベンジャーとしての大腸癌予防効果が期待される。