ABSTRACT 959(P3-5)
一酸化窒素ドナー処理マウス腹腔マクロファージ対する 天然物由来化合物の効果:奥田葉子1、徳田春邦1、木島孝夫2、高崎みどり2、西野輔翼1(1京都府立医大・生化、2京都薬大)
Influence of naturally occurring compounds on NO donor treated mouse macrophage: Youko OKUDA1, Harukuni TOKUDA1, Takao KONOSHIMA2, Midori TAKASAKI2, Hoyoku NISHINO1 (1Dept. of Biochemistry, Kyoto Prefectural Univ. of Medicine,2Kyoto Pharmaceutical University)
ヒトに対して発癌を示すと思われる一酸化窒素(NO)に関して、われわれはその発癌への関与の証明としてNOドナーを用いたマウス皮膚二段階発癌試験により腫瘍の発生を認め、NOドナーの1つであるNOR1 が顕著なイニシエーション効果を示した。このような効果に対し、発がん予防の観点から天然物による抑制効果を目的に、その簡便な試験法としてマウス腹腔マクロファージ(MΦ)にNOR1を加えて示すMΦの分化抑制を指標として測定を行なった。その結果、これまでに抗発癌プロモーターとされるクルクミン、ベタニン等にNOR1を同時に加えるとMΦの分化が認められ、これら天然物にNOの発生に作用することが考えられるとともに、この方法がNOに関連した試験管内試験法として有用であることが示唆された。