ABSTRACT 963(P3-5)
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単一腸内細菌マウスにおける大腸発癌: L. acidophilusの発癌抑制メカニズム:堀江久永1,小林英司2,藤村昭夫2,安保徹3,金澤曉太郎11自治医大・外,2自治医大・臨薬,3新潟大・医動)

Colon carcinogenesis in mono-contaminated mice: Suppressive effect of L. acidophilus :Hisanaga HORIE1, Eiji KOBAYASHI2, Akio FUJIMURA2,Toru ABO3, Kyotaro KANAZAWA1 (1Dept. of Surg., 2Dept. of Clin. Pharm., Jichi medical school, 3Dept. of Imunol.,Niigata Univ. Sch. Med.)

これまで各種腸内細菌が大腸発癌に関与しているとする報告がある。先に我々は単一腸内細菌マウスに化学発癌を行いL. acidophilusの大腸発癌抑制効果を報告した。本研究ではその機序を解明するために腸内環境および免疫能の変化を無菌マウス(GF群)、 L. acidophilus単独マウス(L群)、E.coli単独マウス(E群)で比較検討した。
(方法)各群7週令雄性マウスを使用しDMH(15mg/kg/week計10回皮下注射)で大腸腫瘍を誘発した(各群n=18-20)。各群マウスの便pH及びフローサイトメトリーによる免疫細胞の変化を解析した。
(結果)GF群、E群、L群の腫瘍発生率はそれぞれ74%、50%、30%であり、各群の便pHはそれぞれ7.596、 7.263、 6.966であった。またL群、E群はGF群に比し肝内でCD3+IL2Rβ+細胞が、大腸粘膜ではMac-1+ Gr-1+細胞が増加していた。
(考察)腸内環境の酸性側への変化および、胸腺外分化Tリンパ球や顆粒球系細胞の活性化がL. acidophilusの発癌抑制効果に関与している可能性がある。