ABSTRACT 965(P3-5)
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紫外線誘発DNA損傷の生成に対するフェルラ酸とその重合体の抑制作用:高橋和彦1,麻野間正晴2,森 俊雄3,二口 充4,広瀬雅雄4,5,白井智之41名市大・薬,2名古屋市衛研,3奈良医大・RI,4名市大・1病理,5国立医衛研・病理)

Inhibitory effects of ferulic acid and its polymer on the formation of DNA lesions by UV: Kazuhiko TAKAHASHI1, Masaharu ASANOMA2, Toshio MORI3, Mitsuru FUTAKUCHI4, Masao HIROSE4,5, Tomoyuki SHIRAI4 (1Fac. Pharm. Sci., Nagoya City Univ., 2Nagoya City Pub. Health Res. Instl., 3RI center, Nara Med. Univ., 41st Dept. Pathol., Nagoya City Univ. Med. Sch., 5Div. Pathol., National Inst. Health Sci.)

【目的】リグニン骨格を有するモデル化合物であるフェルラ酸(FA)を酸化的に脱水素重合させた重合体(DHP-FA)は、FAに比べて強い変異抑制作用や発癌プロモーション抑制作用を示すことなどを報告してきた。本研究では、紫外線の遺伝子毒性に対する抑制作用を検討する目的で、紫外線誘発ピリミジン2量体の生成に対する影響を検討した。
【方法】大腸菌及びマウス上皮細胞におけるシクロブタン型ダイマー(CPD)と(6-4)型ダイマー(6-4PP)の生成量を、モノクローナル抗体を用いてそれぞれELISA法及び免疫組織化学法により定量した。
【結果】UVA照射した大腸菌において、CPD、6-4PPの生成量はFA、DHP-FAにより抑制され、UVA誘発突然変異頻度も同様に低下した。UVA照射前にマウスの背部にFA、DHP-FAを塗布すると、上皮細胞でのCPD、6-4PPの生成量は濃度依存的に抑制された。これらの抑制作用はDHP-FAよりもFAの方が強かった。