ABSTRACT 969(P3-5)
緑茶成分はHTLV-I感染細胞の増殖を抑制する
屋敷伸治、園田俊郎(鹿児島大・医・ウイルス)
Green tea extracts inhibit proliferation of HTLV-I infected T-cells : Shinji YASHIKI, Shunro SONODA (Dept. of Virology, Fac. of Med., Kagoshima Univ.)
[目的]HTLV-I遺伝子発現に対する緑茶成分の効果を検討することを目的とした。
[方法]1)緑茶温湯浸出液の酢酸エチル層を減圧濃縮乾固し粗抽出物(EAT)をえた。2)EATの10倍段階希釈液を添加したHTLV-I感染T細胞(HTLV-T)とPHA幼若化リンパ球(PHA-PBL)を6日間培養後、細胞増殖率をCell Couting Kit-8で測定し算定した。3)上記培養T細胞のRNA を抽出し、nested RT-PCR 法でHTLV-I pX とβ-actin遺伝子の発現レベルを測定した。
「結果」EATはHTLV-TとPHA-PBLの細胞増殖に対し、2-50μg/mlで抑制効果をしめした。この培養HTLV-T細胞では HTLV-I pX 遺伝子の発現が完全に抑制されていた。このHTLV-I pX抑制効果はエピガロカテキンガレート(EGCg)の添加でも認められた。
「考察」緑茶の抽出物EATがHTLV-I感染T細胞の増殖を抑制することが明らかになった。この抑制効果はHTLV-I pX遺伝子の発現抑制と関連していることが示唆された。
「結論」緑茶成分はHTLV-I pX遺伝子機能を抑え細胞増殖を抑制する。