ABSTRACT 1010(P4-2)
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SCC抗原遺伝子のプロモーター領域の単離と構造解析:坂口優子, 住浪義則, 村上明弘, 平林啓, 末広寛, 馬屋原健司縄田修吾, 尾縣秀信, 沼文隆, 加藤紘(山大・産婦)

Isolation and structural anlysis of human SCC antigen promoter : Yuko SAKAGUCHI, Yoshinori SUMINAMI, Akihiro MURAKAMI, Kei HIRABAYASHI,Yutaka SUEHIRO, Kenji UMAYAHARA, Syugo NAWATA, Hidenobu OGATA, Humitaka NUMA, Hiroshi KATO (Dept. OB/GYN., Yamaguchi Univ. Sch. Med.)

[目的] 扁平上皮癌の腫瘍マーカーSCC抗原の遺伝子には、互いに非常に相同性の高いSCCA1, SCCA2の2種類が存在し、アミノ酸配列上、SCCA1は中性の、SCCA2は酸性の等電点が予想されている。一方、等電点電気泳動法では癌組織においてSCC抗原の酸性分画の増加が観察され、また定量RT-PCRの結果では癌組織においてSCCA2mRNA有意に増加しているが、癌組織におけるSCCA2の過剰発現はその役割を考える上からも興味深い。今回、SCCA2の転写制御を明らかにする目的でそのプロモーター領域の単離と構造解析を行った。[方法]SCCA2 cDNAをプローブとしてヒトゲノムライブラリースクリーニングを行った。次にSCCA2の5’側上流領域の制限酵素地図を作製し、DNA塩基配列をダイデオキシ法にて決定した。また、プライマー伸長法により転写開始点の決定を試みた。SCCA2プロモーター領域約4Kbpをルシフェラーゼレポーター遺伝子上流に接続し、制限酵素サイトを利用して5'側上流域の欠失体を作成しルシフェラーゼアッセイを行った。[結果]転写開始点は既知のExon 1より34bp上流にあった。プロモーター領域にTATA BOX類似の配列が見られたがGC BOXやCCAAT BOXは認められなかった。また転写制御因子Ets domain, IRE, NF-IL6の共通配列が認められた。ルシフェラーゼアッセイの結果により-423から+47の間にプロモーター活性があると考えられた。