ABSTRACT 1023(P4-3)
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Burkitt's 型リンパ腫細胞の Shiga toxin 誘導性 apoptosis の分子機構:森鉄也1,清河信敬1,田口智子1,佐藤範英1*,大見和宏1,片桐洋子1,竹田多恵2,藤本純一郎1(小児医療セ - 1病理,2感染症,*がん研究振興財団リサーチレジデント)

The molecular mechanism of Shiga toxin-induced apoptosis in Burkitt's Lymphoma Cells:Tetsuya MORI1,Nobutaka KIYOKAWA1,Tomoko TAGUCHI1,Norihide SATO1,Yoko KATAGIRI1,Tae Takeda2,Junichiro FUJIMOTO1(1Dept. of Pathology & 2Infectious Diseases Research, Natl.Child.Med.Res.Center)

最近、O157等の大腸菌が産生するベロ毒素(Shiga toxin, Stx)がBurkitt's型リンパ腫(BL)細胞株に発現する“BL特異抗原”CD77の機能的リガンドであり、BL細胞にapoptosisを誘導することが報告され、“B細胞の負の選択”の一つのモデルとして、またBLに対する新たな治療法の可能性として注目されているが、その詳細は不明である。今回われわれはStxによるBL細胞のapoptosis誘導は細胞株間でその感受性に大きな差を認め、この差は単に受容体であるCD77の発現量やリガンドであるStxの結合量、あるいはEBウイルス感染の有無のみでは説明できないことを明らかにした。また、Stxの結合によってBL細胞の表面免疫グロブリンの局在の変化やB細胞受容体を介すると考えられる細胞内への刺激伝達が惹起されることから、このCD77を介したBLに対するapoptosis誘導刺激はB細胞受容体と密接に関連するB細胞特異的な現象であると推定される。