ABSTRACT 1032(P4-3)
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PU.1過剰発現によるマウス赤白血病(MEL)細胞の分化抑制およびアポトーシス誘導に伴い発現の変化する遺伝子の検索: 山田俊幸,及川恒之(佐々木研・細胞遺伝)

Screening of the genes differentially expressed in the process of differentiation inhibition and apoptosis induced by overexpression of PU.1 in murine erythroleukemia cells: Toshiyuki YAMADA and Tsuneyuki OIKAWA (Dept. of Cell Genet., Sasaki Inst.)

PU.1はEtsファミリーに属する転写因子であり、 MEL細胞において活性化されている。我々はPU.1遺伝子の亜鉛誘導性発現ベクターを導入したMEL細胞(PU.1細胞)に塩化亜鉛とともに分化誘導剤であるDMSOを投与すると、分化の誘導は起こらずアポトーシスが誘導されることを見い出し報告してきた。今回、これらの現象の誘導に伴い発現の変化する遺伝子の同定をDifferential Display (DD) 法により試みた。塩化亜鉛とDMSOの同時投与前ならびに投与後24, 48, 72時間のPU.1細胞からRNAを抽出しDDを行った。シグナルに変化の見られたDNA断片については、コントロールとして用いた細胞(塩化亜鉛あるいはDMSOを単独で投与したPU.1細胞、ならびに塩化亜鉛とDMSOを同時に投与したmock細胞)由来の対応するシグナルの変化と比較し、その変化が分化抑制およびアポトーシスの誘導時に特異的であることを確認した。これまでに発現の増加する遺伝子2個、減少する遺伝子3個については塩基配列を決定したが、興味あることに後者にはmouse nucleosome assembly protein 1 に相同性を持つ遺伝子が含まれていた。